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【TED-Ed】ダヴィンチが『ウィトルウィウス的人体図』で表現したかったもの

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『ウィトルウィウス的人体図』 - [Public domain], via Wikimedia Commons
Luc Viatour /https://Lucnix.be




こんにちは、土佐犬です!
今回紹介するTED-Edの動画はこちら↓↓
Da Vinci's Vitruvian Man of math - James Earle

再生時間:3分20秒
スピーキング速度:(遅い)★★★★★(早い)
英単語難易度:(簡単)★★☆☆☆(難しい)
※本記事の一番下に、この動画で出てくる英単語一覧とその意味を載せています。


レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』のスケッチ画、みなさんもテレビや映画などで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
映画『ダ・ヴィンチ・コード』の冒頭の殺人事件でも、ルーヴル美術館館長がダイイングメッセージとしてこれを模したものを残しています。
今回は、この『ウィトルウィウス的人体図』でダ・ヴィンチが何を伝えたかったのかを解説します。






1. 円積問題


レオナルド・ダ・ヴィンチ (Leonardo da Vinci)は15~16世紀のイタリアの画家で、ルネサンス期を代表する最も有名な芸術家の一人です。
彼は『万能人』と呼ばれ、芸術、数学、医学、音楽、科学などさまざまな分野で功績を遺した天才です。
そして今回の『ウィトルウィウス的人体図』は、古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウス(紀元前80年/70年頃 ~ 紀元前15年以降)の著した『建築論』をもとに、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたスケッチです。

この絵の説明に入る前に、数学の『円積問題』というものものをご存知ですか?
これは、『半径rの円と同じ面積をもつ正方形を、定規とコンパスの有限回の使用だけで描くことができるか?』という問題です。
当時のヨーロッパでは、なんとかこれを描こうと多くの数学者が必死に取り組んでいました。
しかし実は、1882年に円周率が超越数(いかなる有理係数のn次方程式の解にもなり得ない数)であるということが証明されたことにより、『円積問題』も不可能であるということが分かっています。
※ただし、「円を転がす」という動作を追加すると、円積問題を解くことが出来ます。(参考サイト:http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honma/mathbun/mathbun187.htm)

ダヴィンチもそんな円積問題に取り組んだものの一人です。
この絵の中でダヴィンチは、手足を伸ばした人間の体に外接するように円と正方形を描いています。
ウィトルウィウスは、『へそ』が人体の中心であると考えており、へそを中心に描いた円が人体の伸ばした手足にちょうど接するだろうと主張していました。
また彼は、両腕を横に伸ばした長さと身長がほぼ等しくなることも理解していたので、正方形の中にちょうど人体が収まるとも考えたのです。
ダヴィンチはウィトルウィウスのこの考えを用いて、このスケッチを描くことで、円積問題へ比喩的に一石を投じたのでした。




2. ダヴィンチの思想


ダヴィンチはこのスケッチで、円積問題だけを扱いたかったのではありません。
当時のヨーロッパでは『新プラトン主義(ネオプラトニズム)』とよばれる思想が広がっていました。
この思想では、宇宙は階層構造に分かれているとされています。
一番上の存在の神から、天使、惑星、星、すべての生物、そして最下層の悪魔。
この階層の中で人間はちょうど真ん中(星とすべての生物の間)に位置すると考えられていました。
なぜなら、人間はやげて死ぬが、不死の魂を持っているので、宇宙を半分に分ける存在なのだ、というためです。

一方で、当時の哲学者ジョヴァンニ・ピーコ・デッラ・ミランドラは別の考え方を持っていました。
すなわち、人間はこの連鎖(階層)の外側に存在し、自らの自由意思で何者にもなれるのだという『人間の尊厳』を重視したのです。
神は、自らが作ったこの美しい世界を理解できるものの存在を望んだので、それが人間の創造につながった。そして人間を宇宙の中心に置くことで、自分が望むどんなものにでもなれるようにした、といいます。

この思想をもとにダヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』を再び見てみると、人間が円と正方形の中心に位置しています。
そして自らの姿勢を変えれることで、どちらの図形にもぴたりとあてはまっています。
すなわち、ミランドラの『人間の尊厳』に関する思想を、ダヴィンチは幾何学の概念を用いて説明しようとしたのです。

3. まとめ


いかがでしたか?
実はこの1枚のスケッチの中に、数学、医学、宗教、哲学などのさまざまな分野へのメッセージが込められていたんですね。
500年以上もの長い間、この絵が語り継がれてきた理由が少しわかった気がしませんか。



もし今回の内容の詳細が気になったり、英語で聞いてみたいと思った方はぜひページトップのTED-Edの動画を見てください!
今回の動画に出てくる英単語も下記に載せてあるので、先に確認しておいてから動画を見るとより理解しやすいですよ!

***動画に出てくる英単語***


Renaissance:ルネサンス
navel:へそ
Neoplatonism:新プラトン主義
hierarchy:階層
mortal:死を免れない
crawl down:這い落ちる
irreconcilable:相容れない

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【必見!】アンドロイド(人造人間)が登場するおすすめ作品

こんにちは、土佐犬です。
近年、アンドロイドを扱った映画、ゲーム、ドラマなどの作品が多数出ている気がします。
AIが発展し、いずれ人間の知性を凌駕するであろうというのが現実味を帯びてきて、それに伴ってアンドロイド関連の作品が作られることが多くなったのではないかと僕は思ってます。
今回はそんな、アンドロイド(人造人間、ヒューマノイド)が出てくる作品を紹介したいと思います。





1. ニーア オートマタ (NieR:Automata)


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© 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by PlatinumGames Inc.
公式ホームページ:http://www.jp.square-enix.com/nierautomata/

こちらはプレイステーション4(PS4)のゲームソフトです。
主人公はアンドロイドの少女です。
作中では『レプリカント』と呼ばれています。
(この呼び方は、後述の『ブレードランナー』からの影響です。)
僕がアンドロイドに興味を持つきっかけになった作品です。
ストーリーを3周することで真エンディングが分かります。
PS4のソフトで1,2位を争う名作なのではないかと個人的には思います。

2. ブレードランナー2049



映画『ブレードランナー2049』日本版予告編

こちらは2017年10月に公開された映画です。
主演はあのライアン・ゴズリングです。
1982年に公開された1作目『ブレードランナー』の続編です。
1作目ではハリソン・フォードが主演で、本作でも同じ役柄で出演しています。
僕がこの映画を見たのはちょうどPS4『ニーアオートマタ』をやり終えた後で、テレビでやっていた予告編を見てすっかりその世界観に飲まれてしまいました。
CMをみた瞬間、「あっ、これ絶対見よう」って思いました。
上演時間が2時間半近くあったのですが、全く飽きることなく最後まで映画の世界観に浸りっぱなしでした。
むしろ、「まだまだ終わらないで!」と思ったほどです。

公式ホームページ:ブレードランナー2049

3. アンドロイドは電気羊の夢を見るか?


こちらは文庫本です。
実は映画『ブレードランナー』の原作です。
SF小説の中でもかなり有名な作品です。
映画とはストーリーが異なります。



4. ウエストワールド


アメリカで2016年に放送されたテレビドラマです。
製作は、J.J.エイブラムス ( 「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」監督 )とジョナサン・ノーラン (「ダークナイト」「インターステラー」脚本 )。
DVD&ブルーレイが2018年3月21日(水)に発売&レンタル開始されています。
また、アマゾンビデオでも視聴可能です。
ストーリーはかなりよく練られていて、「えーー!!」っていうどんでん返しちょくちょくがあります。
1話を試しに見てすっかりはまってしまいました。
また、2018年5月からはシーズン2の放送が始まりました。
シーズン1を見てはまった方は、こっちもチェックしましょう。
公式ホームページ:ウエストワールド シーズン2


5. ゴースト・イン・ザ・シェル


2017年に公開されたアメリカのSF映画です。
主演はスカーレット・ヨハンソン。
士郎正宗氏の『攻殻機動隊』の漫画が原作です。
『ブレードランナー』からの影響を受けており、世界観などは似ています。
公式ホームページ:映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』


6. Detroit: Become Human



2018年5月に発売のPS4ソフトです。
西暦2038年のアメリカの都市デトロイトを舞台に、命令を受けるだけの存在であったアンドロイドが徐々に人間の心を持つようになるストーリーです。
20年後の世界ということで、リアルな近未来感が体験できます。
公式ホームページ:Detroit: Become Human



いかがでしたか?
アンドロイドの作品に興味がある方には、是非おすすめです!




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【TED-Ed】ゴッホの『星月夜』に隠された物理学との奇妙な接点*英語で学ぶ*

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星月夜(Starry Night) - フィンセント・ファン・ゴッホ
[Public domain], via Wikimedia Commons

こんにちは、土佐犬です。
今回紹介するTED-Edの動画はこちら↓↓
The unexpected math behind Van Gogh's "Starry Night" - Natalya St. Clair

再生時間:4分38秒
スピーキング速度:(遅い)★★★☆☆(早い)
英単語難易度:(簡単)★★☆☆☆(難しい)
※本記事の一番下に、この動画で出てくる英単語一覧とその意味を載せています。


みなさん、ゴッホという画家はご存知ですよね?
19世紀ポスト印象派の画家で、『ひまわり』が彼の最も有名な作品ではないでしょうか。
今回は、ゴッホの『星月夜(ほしづきよ)』という作品と、物理学における『乱流』という現象の間の奇妙な関係について紹介します。




1. ゴッホについて


フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh 1853~1890年)はオランダ出身のポスト印象派の画家です。
代表作は『ひまわり』や『暗色のフェルト帽をかぶった自画像』などがあります。
ちなみにポスト印象派というのは、19世紀後半にフランスで起こった『印象派』から影響を受けて、そこから絵画手法や表現の仕方を発展させて描いた画家たちのことを言います。
ゴッホ以外には、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌなどが挙げられます。

ゴッホは晩年精神障害を発症し、自分の耳を切り落としたり、拳銃自殺を図ったりするという事件を起こしました。
この『星月夜』も、彼が耳を切り起こして以降、精神病を患っている間に描かれた作品です。
1889年6月にフランスのサン=レミ=ド=プロヴァンスにあるサン=ポール・ド・モゾル修道院の精神病院で、彼の部屋の窓から見える景色を描いたものです。
この作品では、夜空の暗闇と星明りが、極端な渦の流れをもって描かれています。
補色の関係である黄色と青色を原色で混ざり合うような流れとして描くことで、まるで夜空の星たちがゆらゆらと鼓動しながら煌めいているかのように見えるのです。
ゴッホはこのような手法により、光をよりリアルに描くことに成功しました。

そして、この渦の流れが物理学の『乱流』の振る舞いに大変よく一致していることが、近年の研究によってわかってきたのです。


2. 物理学における『乱流』


この作品には、実は物理学における『乱流』という概念が含まれています。
乱流とは空気や水の流れで、渦を巻いたり複雑な動きをするようなもののことをいいます。
例えば川の中に石を置いたときの、石の後ろ側での水の流れなどが乱流です。
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物理的には『ナヴィエ・ストークス方程式』の解として、乱流の挙動が導かれます。
この方程式の一般解が求まれば気体や流体の動きを完全に把握することができるのですが、この方程式を解くことは非常に難しく、解けば1億円がもらえる『ミレニアム懸賞問題』の一つにも選ばれています。

また、ドイツの物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルグは『私がもし神にあったら2つのことを質問するだろう。なぜ、相対論と乱流をお作りになられたんですか?』とも言ってます。
天才物理学者ですら乱流の挙動を理解することができなかったのです。

しかし、そんな乱流の概念を、意外なことに画家のゴッホが自身の絵画の中で見事に表現していました。
物理と美術、一見対照的な分野で意外な接点が見つかったのです。


3. 『星月夜』に表現された乱流


ロシアの数学者アンドレイ・コルモゴロフは乱流を数学的に説明しようと試みました。
数式による乱流の完全な定式化はまだ成功には至っていましたが、実験結果はコルモゴロフの理論ととてもよく一致していました。
乱流の例としては、木星の大赤班や、雲の形成や星間塵等があります。

2006年、メキシコのJ.L. Aragon、Gerardo G. Naumis、スペインのM. Bai、M. Torres、イギリスのP.K. Mainiたちは、ゴッホの『星月夜』が乱流の性質を表現しているのではないかと考えました。
彼らはこの絵をデジタル化し、異なる2点の明度の相関をプロットすることで、この絵がコルモゴロフの乱流の式とよく似ていることを発見しました。

この性質はゴッホが精神病を患っていた期間に描かれた絵画にのみ見られ、『カラスのいる麦畑』などでも乱流の傾向がみられています。
ちなみにこの絵画を描きあげた数週間後に、ゴッホは拳銃自殺を図り死亡しました。
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カラスのいる麦畑(Wheatfield with Crows) - フィンセント・ファン・ゴッホ [Public domain], via Wikimedia Commons

一方で、比較的精神が安定しているときに描いた『包帯をしてパイプをくわえた自画像』には乱流の傾向は見られなかったといいます。
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包帯をしてパイプをくわえた自画像(Self-Portrait with Bandaged Ear and Pipe) - フィンセント・ファン・ゴッホ
[Public domain], via Wikimedia Commons
また、一見乱流を表現していそうなムンクの『叫び』も、コルモゴロフの式とは一致しておらず、乱流の性質を表してはいませんでした。

ゴッホがなぜこのように乱流の性質を正確に表現できたのかについては分かりません。
もしかしらた精神病を患っていた時のゴッホには、実際に夜中の星々の煌めきがそのように見えたのかもしれません。
なんにせよ自然の美しさを、自らの感じたままのイメージとして表現して、それが物理的にも正確であったということは、彼が本当の天才だったからに違いありません。

ゴッホの絵画と乱流の関係を発見した論文を読んでみたい方は、下記のリンクからご覧ください。
参考サイト:
ゴッホの絵画と乱流の関係を発見した論文のサイト(英語)
論文のpdfファイル

4. まとめ


いかがでしたか?
もし今回の内容の詳細が気になったり、英語で聞いてみたいと思った方はぜひページトップのTED-Edの動画を見てください!
今回の動画に出てくる英単語も下記に載せてあるので、先に確認しておいてから動画を見るとより理解しやすいですよ!

***動画に出てくる英単語***


turbulent flow:乱流
fluid dynamics:流体力学
asulym:収容所
mutilate:切断する
psychotic:精神病
swirling:渦巻く
eddy:渦
Impressionist:印象派
dapple:まだら
subdivition:区分
flicker:明滅する
prominent:卓越した
agitation:動揺

1ヶ月間2,100円(税込)の固定価格で、3000問題より受験し放題のオンラインTOEIC模試です。
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【TED-Ed】なぜフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』は名作なのか?

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『真珠の耳飾りの少女』  [Public domain], via Wikimedia Commons


こんにちは、土佐犬です。
今日紹介するTED-Edの動画はこちら↓↓

再生時間:4分33秒
スピーキング速度:(遅い)★★★☆☆(早い)
英単語難易度:(簡単)★★★★☆(難しい)
※本記事の一番下に、この動画で出てくる英単語一覧とその意味を載せています。

オランダの画家ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)の『真珠の耳飾りの少女』(Girl with a Pearl Earring)という絵画を知っていますか?
おそらく多くの方が、テレビや美術館などで一度は目にされたことがあるのではないでしょうか?
実はこの作品、「北のモナ・リザ」と称されるほど評価の高い絵画なのです。
見れば見るほど、この作品の魅力と技巧の素晴らしさに引き込まれていきませんか?
今回はこの作品に見られる特徴や、描かれた背景について説明してきます。




1. 真珠の耳飾りの少女


フェルメールの作品数は少なく、現在では30点ほどしか残っていません。
当時のオランダでは絵画の大量生産が行われるようになっていたにもかかわらず、彼は1枚の絵を描くのに長い時間をかけ丁寧に描いていたそうです。
その結果、1年で1枚ほどしか作品を作らなかったと言われています。
またフェルメールは光の画家と呼ばれており、絵画の中で光の明暗や反射を上手に、そして技巧的に扱っており、彼の絵画を見たものはその表現力に圧倒されることでしょう。


『真珠の耳飾りの少女』は1665~1666年に製作されたと考えられています。
この作品は、真っ黒の背景の中に1人の少女がこちらを振り返ったような構図で描かれています。
背景を黒くし、余計なものを一切排除することで、この少女の立体感が際立っています。
彼女のこちらを向いた視線とわずかに開いた艶のある唇から、今に何かを言おうとしている感じがして、鑑賞者はこの少女に引き込まれていくような感覚を覚えます。

ちなみにこの作品は厳密には肖像画ではなく、『トローニー』というジャンルに属します。
トローニーとは・・・

トローニーというものは、自画像のようにその対象者の特徴を全面に押し出したり、地位や名誉、さらにはその人物の存在をアピールするようなものではありません。トローニーに関しては、自画像とは全く逆の発想から生み出される作品であり、モデルの有無は問わず、いたとしてもそれをモチーフに描いたという比較的画家自身が自由に創作できる、フリースタイルのようなジャンルとなっています。
引用:趣味時間



一般的に肖像画というのは、貴族や宗教的に地位の高い人物(教皇、司祭等)を描いたりします。
しかしこの絵画で描かれている少女は、誰かもわからぬ普通の人物です。
(一説にはフェルメールの長女・マリアなのではないかという説もありますが、真偽は未だ分かっていません。)
なぜ、フェルメールはこの作品で、地位の高い人物ではなく、普通の少女を描いたのでしょうか?

これは当時のオランダの情勢を考えるとわかってきます。


2. オランダの黄金時代


17世紀のオランダは、貴族政治やカトリック教会に反旗を翻しはじめ、自治や共和政という考え方を好むようになってきました。
そのため、王や宗教などの権力から独立するようになり、フェルメールなどの画家たちには伝統的なパトロンがいなくなってしまったのです。
一方、その頃にオランダ東インド会社が作られ、アジア圏との貿易により莫大な利益をもたらしました。
その結果、オランダ国内では商人たちがだんだんと力を持つようになってきたのです。
(ちなみにオランダ東インド会社は「世界で最初の株式会社」と言われており、その経営の在り方が最初の「株式」の形態をとっていたそうです。)
これによりオランダは最盛期を迎え、オランダ黄金時代が繁栄していきました。
そしてこの商人たちがかつての貴族に変わる新たなパトロンとして、画家を支援するようになってきました。
商人たちが出資した絵画には、作品の中に商人自身が描きこまれたり、自身の家や彼らの住む見慣れた街並みが描かれることが多くなりました。
ちなみにこの時代のフェルメール以外の有名な画家としては、『夜警』で有名なレンブラント・ファン・レインなどが挙げられます。


3. 本作品の特徴


『真珠の耳飾りの少女』にもオランダ黄金時代の特徴をうかがうことが出来ます。
例えば、この少女が被っているターバンはトルコのものだと考えられています。
当時のヨーロッパからするとトルコは異国情緒を感じる国であったため、当時の絵画にはトルコ産の品物がよく一緒に描かれました。
またこのターバンの綺麗な青色を表現するために、ラピスラズリという高価な宝石が原料として使われました。
(そういえばジブリの『耳をすませば』でもでてきましたね。)

またイヤリングの真珠は富の象徴であり、当時の商人階級の娘であったのではとも考えられています。
ただしこの真珠は現在ではおそらく偽物だろうと言われています。
というのも、そもそもこのサイズの天然真珠は存在せず、またフェルメール自身にもこのようなサイズの真珠を買うほどの金銭的余裕がなかったからです。
おそらくはガラスかスズ製の玉を真珠に見えるようにコーティングしたのではないかと考えられています。

そしてこの耳飾り、一見すると大きな丸い玉の形に見えますが、よくよく見てみると白いしみが描かれているにすぎません。
しかしそれが一歩引いてから見ると、光沢を持った真珠玉として見えるのです。
このような点からも、フェルメールの光を表現する技法の高さがうかがえます。

ところでこの絵画は、フェルメールの死後に評価が上がった作品です。
彼の生きていた当時はおそらく今ほどの評価は得ておらず、特に画家として活躍した後半期には、作品がほとんど売れずに多額の借金を残して死去したとも言われています。

その後、フェルメールは1675年に43歳で破産同然で死去したので、残された作品も競売にかけられるなどして散逸した。『真珠の耳飾りの少女』も、他の絵とともに1696年に競売された目録が残っている。

その後、1881年まで所有者は転々としたが、フェルメールの希少な作品が海外に流れるのを防ごうとしてきたヴィクトール・ド・ステュエール(Victor de Stuers)の説得に応じたデ・トンブ(A.A. des Tombe)は、1881年にハーグのオークションにてわずか2ギルダー30セント(およそ1万円)でこの絵を購入した。当時この絵は極めて汚れており、そうした低評価もやむを得なかった。デ・トンブには相続人がいなかったため、この絵を他の絵画と一緒にマウリッツハイス美術館に寄贈し、以後ここに所蔵されている。1882年には補修が行なわれ、1960年、1994年から96年にも補修されたが、1994年から2年間の修復は入念かつ徹底的に実施され[1]、その結果、絵はフェルメールによって描かれた当時の状況に非常に近いものとなっている。現在取引きされるなら、その価格は100億円とも150億円とも言われる。
「引用」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
2017年8月2日 (水) 07:21 UTC
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E3%81%AE%E8%80%B3%E9%A3%BE%E3%82%8A%E3%81%AE%E5%B0%91%E5%A5%B3 



また、この絵画は昔は『真珠の耳飾りの少女』という題名ではありませんでした。
もともとは『ターバンを巻いた女』という名前だったのです。
それが『真珠の耳飾りの少女』という題名に変わっていったのは、1999年に出版された小説が理由です。
作者はトレーシー・シュヴァリエという方で、フェルメールとフリートという架空の使用人との物語です。
この小説は、2003年に映画され、主演をスカーレット・ヨハンソンが演じたことでも話題になりました。
それ以降、この作品も『真珠の耳飾りの少女』という題名で呼ばれるようになったのです。(かなり最近のことなんですね。)


真珠の耳飾りの少女(字幕版) - Trailer

4. どこで見られる?


現在この作品は、オランダのマウリッツハイス美術館に展示されています。
フェルメールは日本でもかなり人気があるので、国内でも頻繁にフェルメール展が開催されています。

また、徳島県鳴門市の『大塚国際美術館』には、1000点以上の西洋画が陶板に原寸大で複製された『陶板名画』が展示されており、常設でこの作品を見ることができます。
僕も一度行ったことがありますが、まるで本物の絵画のような仕上がりの高さに感動したのを覚えています。
ここは展示作品数も非常に多いので全て見て回るのに半日はかかると思います。
おすすめの美術館ですので、ぜひ一度足を運んでみてください。
公式ホームページ:大塚国際美術館




いかがでしたか?
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***動画に出てくる英単語***


allure:魅力
stand apart:離れたところにある
afar:遠くに
intimacy:親密さ
witness:目撃する
serenely:のどかさ
foreshorten:遠近法を用いて描く
recede:後退する
easel:支え台
chiaroscuro:明暗の配合
theatrical:演劇的な
portraiture:肖像画法
nobility:高貴さ
aristocracy:貴族
bishop:司教
tin:スズ
mirage:儚さ
smudge:しみ
penetrate:突き刺さる
subtle:捕えがたい
enigmatic:不思議な



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【TED-Ed】ヴィヴァルディの『四季』を解説*英語で学ぶ*

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こんにちは、土佐犬です。
今日紹介するTED-Edの動画はこちら↓↓
Why should you listen to Vivaldi's "Four Seasons"? - Betsy Schwarm

再生時間:4分19秒
スピーキング速度:(遅い)★★★☆☆(早い)
英単語難易度:(簡単)★★★☆☆(難しい)
※本記事の一番下に、この動画で出てくる英単語一覧とその意味を載せています。

クラシックの名曲、ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi/1678年~1741年)の『四季』をご存知ですか?
もし名前を知らなくても、曲を聴けば「あっ、これか!」とピンと来るはずです。
テレビなんかで絶対に一度は聞いたことがあると思います。

今回のTED-Edの動画は、この『四季』という曲が一体何を表現しているのかについて解説しています。
クラシックファンの方は絶対に知っておいたほうがいいでしょう!必見です!





1. 『四季』~ヴィヴァルディ


『四季』はイタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディによって18世紀初期に作曲された曲です。
この曲は演奏時間が42分程度あり、「春」「夏」「秋」「冬」の4曲で構成されています。
おそらく一番なじみがあるのが、一番最初の「春」の曲ではないでしょうか?
耳触りが心地よく、軽やかで明るい、聞いててとてもリラックスできる曲ですね。

実はこの『四季』、1725年に発表された当初は詩も付属されていました。
この詩は四季の情景を詠んだもので、この曲を聴きながらその詩を読むことで、四季の風景がまるで目の前に繰り広げられているかのように見事にシンクロするのです。

それでは『四季』の中の「春」「夏」「秋」「冬」の曲でいったい何が表現されているのかを、順番に見ていきましょう。


2. 春



春が訪れます。
優しい風の肌触りを感じ、小川のせせらぎが聞こえます。
鳥たちは楽しそうにさえずっています。
しかしやがて春の雷が鳴り響き、黒い雲が空を覆います。
雷の中で濡れた鳥たちの、不安で怯えた鳴き声も聞こえてきます。
やがて嵐が去ると再び平和が訪れ、春の穏やかな時間が続きます。
濡れていた草木や地面もすっかり乾き、草原の中でニンフと羊飼いが楽しげにダンスを踊ります。


3. 夏



夏がやって来ます。
容赦のない太陽の光が、野原を暑く照らしつけます。
その中でコキジバトが「トルトレッラ」とイタリア語で自分の名前を歌うさえずりが聞こえます。
眠っていると、だんだん遠くから雷鳴と嵐が近づいて来る音が聞こえ、不安をあおります。
ついに嵐がやってきて、豊かに実った穀物に雹(ひょう)の雨が襲います。
曲の後半は疾走感のあるヴァイオリンの演奏で、嵐の激しさを身をもって感じられます。


4. 秋



収穫の秋。
小作農たちは豊作を祝い、みなでぶどう酒を酌み交わします。
楽しい宴に、みなが歌って踊り陽気なお祭り騒ぎです。
宴が終わるとみなは眠りにつき、穏やかな夜がゆったりとした時間で過ぎていきます。
そして夜が明けると、狩人たちは犬を従え、獲物を狙って狩りに出ます。


5. 冬



寒くて、歯ががちがち鳴るほど凍える冬がやってきます。
雪が激しく吹きすさび、どんどんと体温は奪われ、意識が朦朧とするなか、必死に進んでいきます。
ついに家へと入り暖炉のそばで暖をとり、ひと時の平和を感じます。
休息の後再び寒く凍える外の世界へと向かっていき、氷の上を滑ったり転んだりしながらも、なお進んできます。
つらい冬ではありますが、その先に再びあの暖かく優しい春がやってくることを期待して耐え忍びます。


6. ヴィヴァルディが『四季』を作曲するにあたって


ヴィヴァルディは作曲をする際に、できるだけ分かりやすく、観衆が楽しんで聞いてくれる曲を作ることを心がけました。
実際、「春」の最後は、最初と同じメロディを少し改変した演奏で終わります。
これは、同時代の作曲家バッハが複雑な旋律を用いたのとは対照的です。
演奏で観客たちを喜ばせ、そしてヴィヴァルディ自身もこの曲に魅了されたそうです。

7. まとめ


いかがでしたか?
この曲に興味を持った方は、是非最初から最後まで聞いてみてください。
日本にも四季が存在し、私たちもその感性を持っています。
イタリアと日本、300年前と現在、場所も時間も大きな隔たりがありますが、この曲にはそれらを超越して私たちの感性に訴えかけるものがあると思います。

僕もこの記事を書きながら、この曲にどんどん魅了されていきました。
曲を聴いていると、何番のこの章のこの部分はこんなことを表現してるんじゃないだろうか?というのが自然と頭の中から溢れてきました。
個人的には第3番の「秋」が、一番ストーリーを感じることができてお気に入りです。
また『四季』というだけあって、1つの作品の中に多様なメロディが存在しています。
季節が変わり、さまざまな情景がゆっくりと移ろいでいくのが分かると思います。
また、「春」「夏」「秋」「冬」のそれぞれの曲の中でも、メロディがさまざまな表情をして現れ、聞いていて飽きることがありません。
クラシックをこれまであまり聞いたことがなかったという人にも、この曲はぜひ一度聞いてみてほしいと思います。


もし今回の内容の詳細が気になったり、英語で聞いてみたいと思った方はぜひページトップのTED-Edの動画を見てください!
今回の動画に出てくる英単語も下記に載せてあるので、先に確認しておいてから動画を見るとより理解しやすいですよ!

***動画に出てくる英単語***


some of:中には
in part:ある程度は
feature:取り扱う
If ~ is to:~が・・・するためには
turtle dove:コキジバト
hail:雹
concerto:協奏曲
take refuge:避難する
crackling:(火が)バチバチ音を立てる
Not until ~ :~になって初めて
As it is known:知られているように
woodwind:木管楽器
brass:金管楽器
percussion:打楽器
harpsichord:ハープシコード、チェンバロ
contemporary:同時代の
electrifying:衝撃を与える
orphan:孤児
aristocrat:貴族
trot:駆ける



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